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仕事と働き方についての考え4 「チームプレー」

この記事は、アーティスの代表者である池谷が自身の仕事と働き方についての考えを、社員に向けて発表したものです。
もともと社内文書であるため、広く外に向けて発信する文書と比べると書き方や内容に違和感を覚える箇所もあると思いますが、あえてそのままの状態で掲載します。
また、2014年の9月に書かれた文書であるため、当時の就活状況等、現在とは若干ことなる部分もあると思いますがご了承ください。

では、次に私たちの会社での働き方についてみていきましょう。

会社で生み出す最終的な成果は、個人のアウトプットを総合し、チームによってなされます。
一人だけでは為し得ないことを、みんなで力を合わせて為すのが会社だからです。

例えばWebサイトの制作では、制作過程だけでなく、そもそもお客さんを創り出し、仕事を受注する広告活動や営業活動、プロモーション活動などからはじまり、最終的な納品後の売上計上、請求、入金確認といった経理活動があってはじめて完結します。

みなさんの給与が毎月確実に所定の口座に振り込まれ、複雑な納税手続きも、もれなく行われ、各種社会保険の手続きが確実に行われることによって、その適用が受けられるようになっているのは、それを仕事として行ってくれている人がチームにいるからなのです。
チームプレーでは仕事は分担して行い、それぞれが得意としており、能力を発揮できるパートを担当することになります。

プログラミングは得意だが、人との折衝はあまり得意ではない。営業はお手のものだが、経理のような緻密な計算は苦手。といったように、人それぞれ得意なこと、苦手なことがあるものですが、それを異なる個性や能力の組み合わせで、相乗的に力を発揮させるのが会社というチームなのです。

では、理想的なチームとはどんなチームでしょうか。

私が、会社を始めた当初、考えていた理想的な組織の形は、目的やプロジェクトに応じてメンバーが変わり、集合離散を繰り返す、フリーランスの集まりのような組織でした。
それぞれに専門的な実力を持っており、その高度な専門性の組み合わせが相乗効果を発揮した時に現れる驚異的なパフォーマンス。
やったらやった分だけが自分の報酬として返ってくる完全実力勝負の世界。
実力がありさえすれば、自分がやりたい仕事や働く場所、働く時間や時期も選ぶことが出来ます。

しかし一方で、力が無いことが露呈したり、失敗をしてしまったりすると、次回は招聘されることが無い、サッカーの代表チームのような厳しい世界でもあります。
でもプロの世界とは本来そういうものであるべきだと思っていましたし、自分自身、そういう世界が好きでした。

取りまとめをする経営の立場からしても、仕事の発生に対して必要な人員を集める形であれば、閑散期における待機要員や余剰人員を抱えなくて済みます。
また、福利厚生や管理事務、経理処理などは、それぞれのメンバーが各自で行うので、いわゆる管理コストもかけなくて済みます。
また、個々に支払われる報酬も、やった仕事がズバリですので、通常の会社では不可欠かつ相当な労力を必要とする人事評価も不要です。

仲間同士が助けあってチームとして成果を上げる組織

ところが、このような考えは社員数が増え、また家族持ちの社員が増えてくるにつれてだんだんと薄れて行きました。
人間である以上、(最善を尽くしたという前提でも)まったく失敗しないということは無いわけで、うまくいかないことだってあります。体調がすぐれずに休みたい時もあるかもしれません。

先に述べたような組織であれば、例えばPCを使って仕上げた仕事が納品前に、PCのクラッシュで無くなってしまった、という場合、報酬が支払われないのはもちろん、プロジェクトを失敗あるいは遅延させたということで損害の賠償請求を受ける可能性だってあるでしょう。
危機管理ができていない人、ということで次のプロジェクトに呼んでもらえる可能性は限りなく少なく、他の人に取って代わられることでしょう。
働く立場としてはとても不安な状態ですし、家族を持っていたりすれば尚更です。

しかし、いわゆる通常の会社であれば、まったく成果を上げられなかったという場合でもそれが故意や明らかな怠慢などによるものでなければ、すぐに給与が支払われなくなることはありません。
つまりそれは、会社という組織された母体があることで、そのマイナス分を、他の誰かが上げたプラス分で補っているからなのです。
もちろん、安穏としてそれに甘えることがあってはいけませんが、安心して働くことが出来、仲間同士が助けあってチームとして成果を上げる組織の方が、長期的には大きな成果をあげられるのではないかと思うし、それこそが会社であることのメリットであり、強みだと思うようになったのです。

一人一人が最善の努力をつくし、チームはその一人一人を助ける。

私が理想だと思う組織は、

One for all. All for one( 1人は、みんなのために。 みんなは、1人のために)

という精神に基づいた組織です。

Allを「みんな」から「チーム(会社)」に置き換えるとしっくり来ます。
1人は、チームのために。 チームは、1人のために「個」で勝つのではなく、「チーム」をして勝つ。

つまり、前述した組織では組織内「競争」の原理が働くのに対して、このチームでは「協力」がその原動力になります。

一人一人が最善の努力をつくし、チームはその一人一人を助ける。
チームは必ず助け合っており、自分も必ず助けられているのだ、ということを忘れてはならならず、だからこそみんなのために最善を尽くそうと考える。
そんなチームが理想です。

信用と信頼

信用と信頼。よく似たことばではありますが、意味する所には違いがあります。
信用は信じて用いること。信頼は信じて頼りにすること、つまり信じて任せることを意味しています。

アーティスの組織は、いわゆる官僚的な縦割り組織ではありません。
必要に応じて、各チームおよびプロジェクトのリーダーや、事業の責任者を置きますが、ピラミッドのような深い階層構造の組織にはしません。
また、所属する部署は決まっていても、部門を飛び越えて仕事をすることは珍しいことではありません。

サッカーやラグビーのような団体競技の多くは、試合中に監督が細かい指示を出せる機会は、限られており、実際のプレーは、あらかじめ共有された戦術に基づき、キャプテン及び選手それぞれの判断に任せられています。

当社においても同じです。
戦略や戦術を理解し、決められたルールを順守することを条件に、戦い方、つまり仕事の仕方については、それぞれの裁量に任せ、事細かな指示をするようなことはしない。

つまり、信頼して任せる。その代り結果には責任を持ってもらうという考えです。

前述したとおり、チームをして成果を得ることが目的ですから、官僚組織のように、指示された通り、自分の仕事だけをやればいいということにはなりません。
逆に、主たる自分の仕事は決まっていても、その枠をこえてチームの成果のために動くことが重要になります。
サッカーではゴールキーパーがシュートをして得点することさえもありますよね。
それと一緒です。

なぜそうするのかというと、私たちの仕事はそれぞれが専門性の高い仕事であり、そういった仕事においては、それぞれが自分のやり方で仕事ができ、創意工夫を積み重ねていったほうが成果をあげられると考えるからです。

そもそも人間という生き物は、人から指示されて動くよりも、自分で考え、工夫して動く方が楽しいはずです。
指示された方が、楽(らく)ではあるのですけどね。

これから先、会社が大きくなろうとも、組織の階層を深くすることは考えていません。

この記事を書いた人

池谷 義紀
池谷 義紀株式会社アーティス 代表取締役
1998年アーティスを設立し、インターネット通信販売をはじめとした数々のウェブサイト構築を手がける。ユーザビリティという言葉自体が耳慣れなかった頃よりその可能性に着目。理論や研究だけでなく、実際の構築と運営という現場で積み重ねてきた実績がクライアントの信頼を集めている。
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