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Amazon Kindleで自費出版するメリットと出版手続きを解説

2018年の出版市場規模は「1兆5,400億円(紙の書籍:1兆2921億円、電子書籍:2479億円)」と、まだまだ紙の市場が大きい状況です。ですが2017年と比較して、紙の書籍は5.7%減、電子書籍は11.9%増となっています。電子書籍の内訳は、「コミック:1,965億円、書籍:321億円、雑誌:193億円」と、コミックが圧倒的です。

参考URL:https://www.ajpea.or.jp/information/20190125/index.html(公益社団法人全国出版協会)

電子書籍ストアの内、Kindleのシェアが最も大きく、ほぼすべてのジャンルの書籍を扱っています。
筆者の場合、Kindle専用端末で書籍中心に利用しており、Kindle専用端末の読みやすさ、持ち歩きやすさを考えると、もっと普及するポテンシャルを持っていると思います。

一方、出版する側で考えてみると、紙の出版と比較して、電子出版のハードルの低さは大きなメリットです。
原稿が完成した状態から出版までにかかる費用は、電子書籍の方が安くなります。また短い時間で出版できます。さらに、電子書籍の方が高い印税率を設定できます。

本記事では、Kindle出版について、メリット、及び出版手続きを説明します。原稿ファイル作成時に便利なツールも解説します。

※株式会社アーティスではKindle出版の代行業務は行っておりません。

Kindke出版の特徴

紙の出版と比較しながらKindle出版の特徴を解説します。

費用

個人で紙の出版を行う場合、自費出版になることがほとんどです。下記条件の場合、約200万円が基本となります。
ただし、業者や細かな条件の違いで費用が変わりますので、参考程度の価格とお考えください。

  • 初版にかかる全ての費用を著者が負担
  • 原稿の他、写真やイラストなども著者が用意
  • 出版社の持つ流通ルートに乗って全国の書店で注文が可能(特定の書店に借りている棚に書籍が並ぶ)
  • A5判、200ページの本を1,000部

上記に対してKindle出版の場合、自力で原稿ファイルを作成し、登録も自力で行えば費用は発生しません。代行業者に依頼した場合は費用が発生しますが、それでも数万~10万円程度が中心価格となります。

なお、Kindle出版では出版済み書籍のアップデートも随時実施でき、費用もかからない点も大きなメリットです。

印税率

紙での出版の場合、印税率は5~10%程度となります。一方、Kindle出版の印税率(ロイヤリティ)は35%か70%を選択できます。70%の方が魅力的ですが、Kindleストアでの独占販売、値段設定幅(250~1,250円)等の適応条件があります。なお、印税率はいつでも変更可能です。

詳細はこちら:電子書籍のロイヤリティ オプション(KDP)

出版先(国)

紙での出版の場合、販売先(国)は日本のみが基本となります。
Kindle出版の場合、Amazonが使える全世界に向けて出版できます。また、逆に出版先(国)を指定することもできます。

絶版

紙での出版の場合、売れなければ絶版となります。Kindle出版の場合は、売り上げ実績がなくても絶版になることはありません。著者が絶版の手続きを行った場合のみ、絶版となります。

KDP(Kindle Direct publishing)とは

KDPとはKinde出版の手続きを行うサイトです。原稿ファイルを準備済で価格等を決めておけば、数分で手続きが完了します。審査に最大72時間かかりますが、その後、全世界から購入できるようになります。

1)出版方法

KDPのサイト(https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP)にアクセスして、Amazonアカウントでログインします。最初に支払いの受け取り方法などの事前登録を行い、次に出版の手続きを行います。

事前登録

マイアカウントのページで、「著者/出版社情報」、「支払いの受け取り方法」、「税に関する情報」を入力します。

著者/出版社情報:
住所、氏名、電話番号を入力します。

支払いの受け取り方法:
印税を受け取る銀行口座を指定します。

税に関する情報:
源泉徴収税を0.0%に下げる手続きを行います。

出版の手続き

KDPのサイト(https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP)にアクセスして、Amazonアカウントでログインします。下記画面が表示されるので、有料で販売する場合は「電子書籍または有料マンガ」をクリックします。


次に3つのパート(Kindle本の詳細、Kindle本のコンテンツ、Kindle本の価格設定)に分類された項目を順に入力します。

Kindle本の詳細:
本のタイトル、著者、内容紹介、検索キーワード、カテゴリー等を設定します。

Kindle本のコンテンツ:
原稿ファイル、及び表紙ファイルのアップロードを行います。プレビューアー機能もあります。

Kindle本の価格設定:
出版地域、印税と価格等を設定します。

2)ファイル形式

原稿ファイルについて、サポートされているファイル形式は以下の通りです。下記ファイルをアップロードすることにより、KDP側でKindle用のMOBIデータに変換されます。

  • Microsoft Word (DOC/DOCX)
  • HTML (ZIP、HTM、または HTML)
  • MOBI
  • EPUB
  • リッチ テキスト フォーマット (RTF)
  • プレーン テキスト (TXT)
  • Adobe PDF (PDF)

参考URL:https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200634390(KDP)

3)専用端末

通常、電子書籍はスマホ、タブレット、パソコンを利用して閲覧しますが、いくつかの電子書籍ストアでは、専用端末を用意しており、Kindleもその1つです。Kindleの専用端末ではE-Inkと呼ばれる技術が採用されており、紙の上にインクで書かれたように表示されます。スマホのように「明るい日差しの中では読みにくい」ということはありません。バックライトが付いていますので、暗い場所でも読むことができます。また消費電力が小さく、1度の充電で数週間は使えます。

現在、Kindleでは5つの専用端末が展開されています。

Kindle バックライトがなく、低解像度の廉価版
Kindle Paperwhite(第7世代) バックライト付きの普及モデル
Kindle Paperwhite マンガモデル 32GBバイトの大容量モデル
Kindle Paperwhite(NEW)  第7世代から薄型軽量化。防水機能追加。8GBと32GBを選択可。
Kindle Oasis 最上位機種。ページめくりボタンあり。7インチで明るい画面。防水機能あり。

原稿ファイル作成時に便利なツール(KDP提供)

KDPが下記のツールを提供しています。

参考URL):https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/G200735480

Kindle Create

Microsoft Word、Apple Pages、Google Docsなどdoc(x) 形式の保存か可能なアプリケーションに対応しており、kindle向けのファイル形式に変換するツールです。章タイトルが自動的に検出され、スタイルが自動的に設定されるので、目次を簡単に作成できます。

Kindle Previewer

電子書籍が端末毎、画面サイズ毎でどのように表示されるかを確認できるツールです。

Kindle Kids’ Book Creator

絵本や児童書の作成に便利なツールで、PDF、JPG、TIFF、PNG、PPM 形式のファイルをインポートできます。プレビュー機能もあります。

Kindle Comic Creator

写真集やコミックの作成に役立つツールです。PDF、JPG、TIFF、PNG、PPM 形式のファイルをインポートできます。

原稿ファイル作成時に便利なツール(その他)

KDPが提供するツール以外にも、よく利用されるサービスがあります。

でんでんコンバーター

テキスト等をEPUB形式に変換して出力するウェブサービス(https://conv.denshochan.com/)です。アップロードするテキストは、Markdown (マークダウン)という簡易マークアップ言語を拡張した記法で書きます。

ロマンサー

doc(x)形式のファイルをEPUB形式に変換して出力するウェブサービス(https://romancer.voyager.co.jp/)です。表紙、目次を自動作成できます。縦書きや文字のルビ(ふりがな)も対応しています。

Canova

電子書籍向けの表紙を作成できるウェブサービス(https://www.canva.com/)です。簡単にプロっぽいデザインで表紙を作成できます。

さいごに

有名作家でない個人の場合、紙の出版(自費出版)よりKindle出版の方が費用面でメリットがあります。また高い印税率が適用できます。写真集を出版する場合、日本以外でも購入してくれる可能性があるので、より大きなメリットと言えます。

しかしながら、実際に自力で原稿ファイルを作成してみると、意図通りに表示されない場面に遭遇することがあります。またツールやサービスの使い方を把握する必要があります。よって、初めてkindle出版を行う場合は、作業面で手間がかかるのも事実です。コンテンツ(文章、写真、絵など)の作成に集中したい場合は、代行業者に依頼するのもよいでしょう。もちろん、相応の依頼料が発生しますが、紙の出版より安いです。

安い費用で出版できて、絶版されることとのないkindle出版にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※Kindle出版のお問い合わせや出版代行の依頼をいただくことがありますが、株式会社アーティスでは代行業務は行っておりません。あしからずご了承下さい。

この記事を書いた人

アーティス
アーティス
創造性を最大限に発揮するとともに、インターネットに代表されるITを活用し、みんなの生活が便利で、豊かで、楽しいものになるようなサービスやコンテンツを考え、創り出し提供しています。
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