ウェブアクセシビリティについて | 自治体病院ウェブアクセシビリティ対応調査結果

ウェブアクセシビリティとは

ウェブアクセシビリティとは、「年齢や障がいの有無、利用環境に関わらず、誰もが等しく情報を得られるようにすること」です。

人によって、ウェブを利用する環境はさまざまです。

視覚に障害がある方
手が不自由でマウスが使えない方
高齢者で小さい文字が読みづらい方
スマホの画面が小さい状況
電波が弱く、画像の読み込みが遅い状況

こうした「利用者の違い」に左右されず、誰もが同じように情報を得られるようにするのがウェブアクセシビリティです。
すべての人にとって「見やすい」「分かりやすい」「操作しやすい」サイトを実現することが、ウェブアクセシビリティ対応の目的です。

ウェブアクセシビリティの現状

2024年の障害者差別解消法の改正により、ウェブアクセシビリティへの社会的関心はこれまで以上に高まっています。
法改正では、障害のある人に対して情報やサービスへのアクセスを妨げない「合理的配慮」の提供が強化され、ウェブサイトのアクセシビリティ対応が重要な課題となりました。

公的機関に関しては、総務省により2016年に策定された「みんなの公共サイト運用ガイドライン」が、ウェブアクセシビリティ対応の基本的な指針として位置付けられています。その後も時代の変化や技術基準の進展に合わせて改訂が重ねられ、2024年に最新版が発表されました。
このガイドラインでは、ウェブサイトの設計・運用・維持におけるアクセシビリティ方針の公開や、定期的なチェックと改善プロセスの整備など、公的機関が取り組むべき具体的な手順が示されています。

また、2025年10月にはデジタル庁にて策定された「ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック」が、デジタル社会推進標準ガイドラインのInformative文書として正式に編入されました。
この編入により、ガイドブックで示されていたウェブアクセシビリティの基本的考え方、技術基準、チェック方法、運用・改善プロセスなどが、標準的な実務指針として位置付けられたことになります。これを受け、ウェブアクセシビリティへの関心は一層高まり、利用者に配慮した情報提供の必要性が社会的にますます強く意識されるようなっていくことが予想されます。

自治体病院におけるウェブアクセシビリティ対応

自治体病院は、市民や患者にとって重要な医療情報を提供する公的機関であり、そのウェブサイトは幅広い年代や身体的条件を持つ人々にとって欠かせない情報源となっています。このため、すべての利用者が情報にアクセスできる環境を整備することは社会的責任であり、ウェブアクセシビリティへの対応は不可欠です。

総務省が策定した「みんなの公共サイト運用ガイドライン」においても、地方公共団体やその関連機関が運営するウェブサイトについて、JIS X 8341‑3に基づくアクセシビリティ対応を組織的に進めることが求められています。
これにより、自治体病院サイトでも、高齢者や障がいのある方を含むすべての市民が情報を支障なく利用できるよう、方針を策定し、運用・検証を継続して行うことが、事実上の責務として位置づけられています。